明解 法華経要義  講述/本多日生 編集・現代語訳/土屋信裕


<序>

 人類の宗教文化史上、「法華経」ほど、時空を超えて読み継がれた経典は希である。そして時と処において根付き、如何なる人々にも心を癒し、救済を果たしてきた聖書である。本書の編者は、現役のパイロットである。F4戦闘機の操縦士を経て、現在民間航空の機長の要職にあり、多くの人の生命を預かり、時々刻々に襲い来る自然の猛威を操りながら、心身を生死の間に置いている。初め私は、土屋師が法華の坊さんで、しかもパイロットだという、このアンバランスに驚いた。だが土屋師の祖父にあたられる土屋日宏猊下は、顕本法華宗管長であり総本山妙満寺の貫首であられたことを想起すると、編者土屋師が生粋の法華の坊さんであることに何の不思議はない。

 編者は法華修行の範を本多日生師に求められたようである。本多猊下は、明治大正昭和に跨がり、仏教界のみならず日本の思想界をも統率した英傑であった。今日、世界的企業となったトヨタの創始者豊田佐吉翁も、同年であったことも手伝い、本多猊下より多くの薫陶を受けた一人であった。今、平成の時代にあって、本多猊下を模範とする傑僧出(いで)来(き)たりなば、本宗は言うに及ばず日本、アジア、果ては全世界に妙法の種子は蒔かれるであろう。妙法の種子は「我此土安穏」(我が此の土は安穏なり)の華を開くこと必定である。土屋師の顔を思い出すと私の心は躍る。師よ、期待を裏切ることなかれ。

平成二十四年 五月十六日

元東洋大学教授 文学博士 元日蓮宗 勧学職
顕本法華宗 布教総監
                   河村 孝照


四六版416頁上製カバー巻装 定価2800円+税 ISBN978-4-87415-880-7
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